第5回ミューズキャット

☆演奏家 坂上真清氏による
「アイリッシュ・ハープ」のお話と演奏☆

アイリッシュ・ハープの特徴

ハープの演奏風景

クラシックハーブとは違いペダルがないため、転調の為のレバーが一本一本の弦についているものもあります。
弦の数は特に決まっているわけではなく製作者によって様々だそうです。弦の材質についても、錫、銅、ブロンズ、銀、ガット、ナイロンなど特に規定はありません。
同じ、アイリッシュ・ハープでも、スコットランドの曲を弾けば、スコティッシュ・ハープとなり、アイルランドの曲を弾けば、アイリッシュ・ハープとなるわけで、小型のペダルなしのハープを総称してアイリッシュ・ハープと呼ばれています。またハープの製作会社がアイリッシュハープという表現をして区別につかったこともアイリッシュハープと言う名で広まったことの一因のようです。
ハープの大きさも様々で、持ち運びの条件や演奏を聴かせる相手によって使い分けられてきました。たとえば、遠くに演奏に行く場合は持ち運びに便利な小型のもの、特別の演奏会の場合は上等のものという具合にです。

演奏

ハープで演奏される音、つまり、アイルランドの音は、物悲しい静かな曲ばかりです。
これは、アイルランドの歴史的背景が反映されているから...。
曲は、昔から語り継がれてきた作者が不明のものが多く、後に曲に詩をつけて題名をつけ、演奏されています。
ほとんどの曲が主旋律以外の楽譜はなく、演奏家が各自で装飾をつけて演奏します。そのため同じ曲でも演奏者によって様々な曲調が楽しめるそうです。また短い曲がほとんどなので多くの場合2〜3曲をつなげて演奏するそうです。
演奏方法は力強く奏でるクラシックとは違い軽いタッチで奏でられています。

講義の合間に様々なアイリッシュ・ハープの生演奏を鑑賞しました。
楽譜が主旋律のみということで、講師の坂上さんの音楽的感性が充分に味わえたような気がします。

(曲目)
サリーガーデン(イエイズが若かりしき頃を思い浮かべて詩をつけた曲)
マーメイド、バタフライ(映画「フィオナの海」〜セルティ伝説〜より)
エレノアブラウンケット、ジョンホーナー、ウーマンオブアイランド、ホギーデュー、ライツオブマン

・・・誰かの為に捧げた曲が多いので、曲名には人の名前が多く使われているそうです・・・

講義終了後、講師の坂上さんのハープをじっくりと見学させていただきました。
当日は電車での移動ということで持ち運びしやすい小型のハープでした。
しかし小型ながら、透き通った音色が響きわたるそのハープは、坂上さんのお気に入りだそうです。たとえ同じ型のものでもひとつひとつ音色が違ってくるそうです。単なるコピーでは決してよい音にはならないそうです。
見学しただけでは、その簡素な構造から、なぜあのような音量がでるのか秘密は暴かれませんでしたが...。
古楽器に親しむ会の参加者の中にもアイリッシュ・ハープの制作を試みている方がいらっしゃるので、どんな音に仕上がるのかとても楽しみです。


坂上さん出演の演奏会のお知らせ
講演いただいた坂上さんが出演される演奏会が下記の様に開かれます。
ご興味のある方はいかれるとよろしいかと思います。

アイルランド
愛蘭土の音楽と民話
〜ストーリーテラーの世界〜

3月1日(日)
2:30PM OPEN
3:00PM START
会場&連絡先  築地 兎小屋 03-3545-5613
お問い合わせ オフィス バンティング 03-3867-8364


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